「小澤さん、コンテストの結果どうでした？」「そうですか、残念です。私たちは素晴らしいと思っているのに、全国レベルでは認めてもらえないんですね。でも、良いんです、私たちが満足出来ていますから」
・・・昨年のフォトコンテストの後に、株式会社サーキットデザインの従業員さんと交わした会話です。「私たちが満足出来ている」という言葉に救われたのと同時に、従業員さん達が満足出来る結果をお届け出来なかった

悔しさで胸が一杯になった事を覚えています。
あれから一年が経ち、TOJO全国フォトコンテストは１０周年を迎えます。この記念すべきイベントに、どの作品を提出するか考えた時に、真っ先に頭に浮かんだのはやはりこの水槽でした。
慣れない扇形の形状だった事もあり、当初はどのようにレイアウトすれば良くなるのか、何がこの水槽に足りないのか見出すことが出来ず、メンテナンスの度に思い悩みました。それが、レイアウトを変更する度に自分で水槽を撮影し、第三者的な視点で何度も何度も写真を見直すことで、レイアウトの欠点や改善点を見つけられる様になりました。この経験は、フォトコンテストを通じて得る事が出来た、非常に大きな財産だと感じています。
勿論レイアウトだけではなく、全てのサンゴにきちんとライトが当たるように、ライトの角度をミリ単位で微調整したり、しっかりとした水流が得られるようにポンプを交換したり、魚の動きを見ながらライブロックのバランスを細かく変更したり、本当に細かい部分にまでこだわり続けて、やっと自分自身が納得出来る状態になったと感じています。